豊かな選択肢/いい家づくり100選 -4- 建主の思いこそ財産


人生には、いろんな岐路が用意されている。右へ進むのか、左へ回るのか、その入り口がいいのか、そもそ

もそれは入り口なのか?


岐路とはつまり、選択肢のことだ。右へ向かうにしても、左に向かうにしても、一歩前進するには、それなりの

理由が要るだろう。その道を選ぶ背景なり、根拠がないことには足下が不確かでしようがない。



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家づくりにおいても、様々な選択肢があるのだが、多くの人が自分の思いを不確かなままにしておいて、コマ

ーシャル幻想によって植え付けられた一般的な価値観を根拠にその選択を行っているようでならない。

 
建主の本質的な思いこそが、家づくりの根本的な財産である。それは家づくりの目的ということもできる。高度

経済成長期の混沌とした時代の勢いに任せるならまだしも、今は、しっかりと立ち止まって自分たち家族の思

いとじっくりと向き合う余裕をつくることは、そんなに難しいことではないと思う。



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大切なのは、自分なりに考えはじめることだ。自分たち家族の価値観を一度摺り合わせしてみるだけでもい

い。すると、お互いのパートナーが意外なことを思い、意外なことにこだわりを抱いていることが理解できるだ

ろう。

 
決して、自分の価値観だけを「建主の思い」として語ってはならない。そこだけにこだわった挙げ句に、妻や夫

が家を出て行った家づくりを、僕は何度か目撃している。「あなたにはこの納戸くらいの部屋があればいいわよ

ね!」と言い放った奥様の声が脳裏に蘇る。旦那さんは、苦笑いしながら「もう十分十分!」と応えていた。そ

の家づくりの結末は「新築」と同時に「離婚」という人生の岐路を描いたのだが、あの時、旦那さんの苦笑いの

中には複雑な思いがあったのだろうか。


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家づくりとは、家族の思いを確かめ、その思いを形にしていく作業のことだと思う。

 
プロトハウス事務局では、建主へのヒアリングを最も大切にしている。どこに本音があるのかを、建主の心を

柔軟に開きながら、いつも見つめるようにしている。そのためには、時にはワークショップなどを行い、ゲーム

感覚の遊びの中で家族の本音を引き出すこともする。



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建主の本音が固まれば固まるほど、進むべき道もはっきりと見えてくる。僕はその思いが見えた時に、その

思いをキーワードにしてみんなで共有できるようにする。その時、言葉は大切な役割を担う。その家族の家づ

くりの旗印やキャッチフレーズになる言葉を、印象に残るように呟くのだが、そうすることで、建主の思いにタイ

トルが付けられる。

 
建主の思いこそが財産だ。それが明確であれば、建築家から提案された住宅のプランが、自分たちの実現し

たい暮らしにマッチするものかどうか、ある程度察しがつくようになる。建築家は設計のプロであり、言葉も多

彩だから、家づくりの素人である建主は、建築家の提案するプレゼンテーションが自分たちに相応しいのかど

うか、見えなくなることがある。しかし、この思いが明確であれば、そんな心配も少なくなる。建主の思いがしっ

かりとしていれば、いかなるプレゼンテーションがなされようと、その形に惑わされることはない。



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建主の思いこそが、最も素晴らしい唯一無二のものだ。

そこには、揺れない、シンプルな願いがあるはずだ。


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by yawaraka-house | 2012-06-12 17:44 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選