カテゴリ:豊かな選択肢/いい家づくり100選( 5 )

建築条件付き宅地+豊かな選択肢

ある不動産屋さんから頼まれて、宅地分譲のお手伝いをすることに。

と言っても、建築条件付き宅地販売ではありません。

あれは、条件付きというだけあって、窮屈。

貧しい選択肢という感じが否めません。

そこに建てた看板のキャッチフレーズは、

「お好きな建築家と工務店で自由設計の家づくり」。

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プロトハウス事務局ならば約250社の建築設計事務所と約110社の

工務店が登録しているので、実現したいテイストに合わせて

自由に建築家と工務店が選べて、自由設計の家を造ることができます、

という意味です。

かなり豊かな選択肢だと思うのですが、それは発信側の言い分で

あって、受け手は「じゃあ、プロトハウス以外の建築士や工務店には

依頼できないの?」という論理になるものです。

そこで、私としては「可能な限りデザインされた町並みを造りたいので

当初2ヶ月間はプロトハウス事務局の登録建築家や工務店との家づくり

を希望される方を優先的にご案内させていただくことにしています。

が、販売される不動産屋さんも最終的には土地が売れないことには

困ったことになるものですから、○○ホームのような、まあ、なんと言いますか

あまりデザインされていないような住宅を希望される方にも

土地は販売するようにしているんです」という案内をするようにしました。

まあ、なんとゆるい営業でしょう! しかしいくら「豊かな選択肢!」と

声高に叫んだところで、それはこちらの論理&価値感。

まだまだ『デザイン』より『プライス』の方を優先する

という方が多いのも事実なのです。

でも、いいじゃない!! 面白い企画だと思うよ! と心の声。

少なくとも、ちょっと画期的。建築条件付き宅地でどこぞのハウスメーカーや

パワービルダーが売るより魅力的ではないでしょうか?

そこで少しでも「豊かな選択肢」を理解する人が登場してくれれば、

面白い物語が生まれる可能性だってあるわけだし!

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現地は、新宮町。IKEAのすぐそば。青空に向かうなだからな坂道にある分譲地で、

その上にはこんな遊歩道もあり、町営図書館も隣接。

看板を立てたその日から問い合わせがあり、数組の申込がありまして、

建築家との家づくりに興味を示していただいた方も現れました。

こんな風に、小さな糸口から、豊かな選択肢は誕生していくのかもしれません。

この分譲地の詳しい情報を知りたいという方はコチラをクリックしてください。





プロトハウス事務局

by yawaraka-house | 2013-06-20 12:13 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選

豊かな選択肢/いい家づくり100選 -4- 建主の思いこそ財産


人生には、いろんな岐路が用意されている。右へ進むのか、左へ回るのか、その入り口がいいのか、そもそ

もそれは入り口なのか?


岐路とはつまり、選択肢のことだ。右へ向かうにしても、左に向かうにしても、一歩前進するには、それなりの

理由が要るだろう。その道を選ぶ背景なり、根拠がないことには足下が不確かでしようがない。



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家づくりにおいても、様々な選択肢があるのだが、多くの人が自分の思いを不確かなままにしておいて、コマ

ーシャル幻想によって植え付けられた一般的な価値観を根拠にその選択を行っているようでならない。

 
建主の本質的な思いこそが、家づくりの根本的な財産である。それは家づくりの目的ということもできる。高度

経済成長期の混沌とした時代の勢いに任せるならまだしも、今は、しっかりと立ち止まって自分たち家族の思

いとじっくりと向き合う余裕をつくることは、そんなに難しいことではないと思う。



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大切なのは、自分なりに考えはじめることだ。自分たち家族の価値観を一度摺り合わせしてみるだけでもい

い。すると、お互いのパートナーが意外なことを思い、意外なことにこだわりを抱いていることが理解できるだ

ろう。

 
決して、自分の価値観だけを「建主の思い」として語ってはならない。そこだけにこだわった挙げ句に、妻や夫

が家を出て行った家づくりを、僕は何度か目撃している。「あなたにはこの納戸くらいの部屋があればいいわよ

ね!」と言い放った奥様の声が脳裏に蘇る。旦那さんは、苦笑いしながら「もう十分十分!」と応えていた。そ

の家づくりの結末は「新築」と同時に「離婚」という人生の岐路を描いたのだが、あの時、旦那さんの苦笑いの

中には複雑な思いがあったのだろうか。


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家づくりとは、家族の思いを確かめ、その思いを形にしていく作業のことだと思う。

 
プロトハウス事務局では、建主へのヒアリングを最も大切にしている。どこに本音があるのかを、建主の心を

柔軟に開きながら、いつも見つめるようにしている。そのためには、時にはワークショップなどを行い、ゲーム

感覚の遊びの中で家族の本音を引き出すこともする。



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建主の本音が固まれば固まるほど、進むべき道もはっきりと見えてくる。僕はその思いが見えた時に、その

思いをキーワードにしてみんなで共有できるようにする。その時、言葉は大切な役割を担う。その家族の家づ

くりの旗印やキャッチフレーズになる言葉を、印象に残るように呟くのだが、そうすることで、建主の思いにタイ

トルが付けられる。

 
建主の思いこそが財産だ。それが明確であれば、建築家から提案された住宅のプランが、自分たちの実現し

たい暮らしにマッチするものかどうか、ある程度察しがつくようになる。建築家は設計のプロであり、言葉も多

彩だから、家づくりの素人である建主は、建築家の提案するプレゼンテーションが自分たちに相応しいのかど

うか、見えなくなることがある。しかし、この思いが明確であれば、そんな心配も少なくなる。建主の思いがしっ

かりとしていれば、いかなるプレゼンテーションがなされようと、その形に惑わされることはない。



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建主の思いこそが、最も素晴らしい唯一無二のものだ。

そこには、揺れない、シンプルな願いがあるはずだ。


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by yawaraka-house | 2012-06-12 17:44 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選

豊かな選択肢/いい家づくり100選 -3- コマーシャル幻想を捨てよう

◎「基礎知識」編

<家づくりを楽しもう>

コマーシャル幻想を捨てよう
 
60年代後期に当たる僕らの小学生の頃は、サッカーでも野球でもなく、ソフトボールが少年スポーツの王道

を走っていた。利き腕とグローブを鳩尾辺りで重ね合わせ、それから利き腕を大きく後ろに回転させたアンダ

ースローから投げ出されたリンゴ大のボールを青空高く打ち返す球技に、僕らは炎天下でも没頭した。今でい

う熱中症で倒れそうになりながらも、先輩中学生の激に背中を押され、薄茶色の砂埃舞うグラウンドで僕らは

戦っていた。そんなところからも、男子は闘争本能を鍛えられる運命にあるのだろう。とことん「社会的な生き

物」になる定めなのだ、男ってヤツは。


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ある日、僕は、もう本当に倒れそうだった。貧血なのか、熱中症なのか、今となってはわかるはずもないが、グ

ラウンドの隅の大きなクスノキの木陰で、僕はだらしなく胡座をかいてへこたれていた。そんな僕の背後から、

冷気漂うとても特殊な雰囲気のあるドリンクが差し出された。そう、ドリンクだ。ただの飲み物ではない。それ

が、僕とコカ・コーラの運命の出合いだった。
 

コーラを飲んだ僕は、「すかっと爽やか」になって元気を取り戻し、直後の打席でホームランを打った。恥ずか

し話だが、僕はコカ・コーラを栄養ドリンクか何かと思い込んでいた節がある。たぶん、「いいか、これは凄いド

リンクなんだぜえ、一口飲んだだけで体がビンビンしてくるんだぜえ」とか、スギちゃんのような口調で先輩中

学生に吹き込まれたのだ、とボンヤリ記憶している。コーラを一口飲んだ僕は、コマーシャルのキャッチフレー

ズのまんまに、萎えていた気持ちが「すかっと爽やか」になっていくのがわかった。


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その当時のコーラのテレビコマーシャルをインターネットで検索したら観ることができる。最初のコマーシャル

は「山にハイキングに行ってコーラを飲む編」で、次は「雪ダルマ編」、「輪投げ編」とつづき、ピンキーとキラー

ズが歌って踊る「自動販売機編」へとつづいていく。いずれもキャッチコピーは「スカッとさわやかコカ・コー

ラ」。水滴のついた流線形のボディから茶色のコーラがグビグビッとグラスに注がれるシズル感あふれる映像

が、観ている者の咽を乾かす。


小学生の僕もどこかでこのコマーシャルを観ていて、ある意味洗脳されていたのだろうか。どうも、思い出せ

ない。あの頃はそうそう頻繁にテレビを観ていたわけではないはずだし、先輩の「栄養ドリンク話」にも先導され

ていたこともあるのだろうが、コーラを飲んだ直後に「スカッとさわやか」になるとは! なんと恐るべしテレビコ

マーシャル!
 

こんな風にテレビコマーシャルには知らぬ間にジワジワと聴衆を先導する力がある。それは時には物事の本

質をカモフラージュする役割さえ担いながら、時代を変えていく。


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テレビコマーシャルは「豊かな選択肢」を提示することはない。そこにあるのは、いかに自社製品が優れてい

るのかという企業情報だ。例えユニクロのカラージーンズがいかに数多くのカラーパターンを揃えているとして

も、いずれもユニクロという企業の商品であることに変わりはない。
 

住宅のテレビコマーシャルは大物タレントを起用してイメージアップを狙ったものが多いが、オモシロ可笑しい

世界を醸し出す中でサブリミナル的に「外張り断熱」とか「免震」というキーワードを大量の電波を使って視聴

者の深層心理に植え付けていく。そこでは決して「住宅というものの本質」が語られることはない。そこに在る

のは、ユーザーを導いていくコマーシャルの中の世界観であって、やはり「豊かな選択肢」は存在しない。「住

宅にはいろんな造り方があるんですよ」なんてとても素朴な思想は、合理化とコストダウンによって利益を追

求するハウスメーカーの商品コンセプトとは水と油の関係だ。


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テレビコマーシャルの中に潜んだキーワードが、現代人の心にいろんな常識を焼きつける。家はきちんと分譲

された団地で買うモノ。なるべく手入れの要らない合理的な建物がいいらしい。原発で発電した深夜電力で夜

の間に蓄熱した暖房機が最も省エネ! 太陽光発電は4キロワット相当でないと経済効率が悪い!・・・。
 

こんな常識が、まことしやかに人から人に囁かれる。コマーシャル幻想が現代人の心を黒い鏡に変える。幻

想に生きる人は、自分の心の黒い鏡に映った理想の世界へ向かって歩き出す。そこに「豊かな選択肢」はな

い。


自分が生きたい暮らし方を実現するには、どうすればいいのだろう。住宅も化粧品も食品も、テレビコマーシャ

ルの世界にしか存在しないのだろうか? もちろん、そんなことはない。何を選ぼうと、自由なのだ。どこで暮

らそうか、どんな風に楽しもうか、その選択はもっと豊かであるべきだし、実際に目を自由に開放すれば、そこ

には豊かさが存在する。曇った黒い鏡(植え付けられた常識)をクリーンにして、自分なりに考え始めること。


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僕が提案する「豊かな選択肢」は、その思考の先で、自由な人々を待っている。

by yawaraka-house | 2012-06-06 14:28 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選

豊かな選択肢/いい家づくり100選 -2- 「起業する家づくり」が増えてきた

◎「基礎知識」編

<家づくりを楽しもう>

・「起業する家づくり」が増えてきた
 

家づくりは、人生最大の投資である。たいがいの人は一生に一度だけしか、その投資のチャンスに恵まれるこ

とはない。だから、よく考えた方がいい。その家づくりは自分の財産を投資するのに値するのか否かということ

を。



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僕の観たところ、たいがいの日本人は性善説を信じていて、流行に流される気質を持ち合わせており、その結

果、安易に家づくりの選択肢をチョイスする傾向が強い。テレビコマーシャルが「外張り断熱」と連呼すれば

「外張り断熱の家がいい」と思い込み、「制震の時代」と言えば「そうか、これからは制震なんだ」と素直に頷く。
 

しかし、よく考えた方がいい。シャンプーやジャガイモならいざ知らず、一生に一度の家づくりなのだ。いやい

や、シャンプーやジャガイモだって、美容や健康に対する投資なのだから、ちゃんと考えた方がいいに決まっ

ている。ただし、シャンプーと家とでは、投資する金額が違い過ぎる。かたや数百円、かたや数千万円だ。



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家づくりを投資として考えた場合、当然ながら「利益を生む方法」を家に付加するという考え方ができる。俯瞰

すれば、最適な住宅ローンを組むという選択肢もまた、そのチョイス次第では、支払わなくていいはずの金利

分を預貯金に回せるのだから「利益を生む方法」と言えるだろう。しかし最近では、明らかに住宅の空間その

ものに「利益を生む方法」を付加した家づくりが増えてきたように思う。それが、「起業する家づくり」だ。


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起業する職種が、時代を映している。起業するのは多くの場合はその家の奥様で、従ってその内容もはっき

言って女性ならではのことが多い。カフェやパン教室、料理教室、ヨガ教室・・・・。いずれも家の一室を使って

の起業となる。以前から開いていた書道教室のために和室を玄関横に設けた事例もあった。また最近は、ヨ

ガではなくピラティス教室のことも多い。


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◎◎教室と、自分の持つ技能が元手だからほとんどの場合は、大規模な設備投資は必要としない。使い勝手

のいい空間があれば、それでいいのだ。その空間から月に数万円の利益が上がれば、返済が楽になる。もっ

と積極的になれば、繰り越し返済もできるし、立派なビジネスにもなるだろう。
 

この「起業する家づくり」。なにも昨今始まったというわけではない。僕の小学生時代にも自宅の一階を広い土

間にして、そこでかき氷屋さんを開業した小母さんが居た。堤田さんという母の友達で、夏休みの午後には直

射日光から逃れるようにそのお店によく駆け込んだものだった。ふっと頭をよぎるのは、かき氷が土間に落ち

ていく映像。堤田さんは、「気にせんでいいよ」とタダでかき氷をサービスしてくれた。自宅の横にあった永山商

店も、よくよく考えてみれば、自宅の一角を駄菓子屋にしたに過ぎない程度のお店だった。小さな空間には、

小さな駄菓子たちや籤付きのゴム風船が所狭しと陳列されていたっけ。学校から帰ると僕たちは、5円硬貨を

握りしめて永山商店に行ったものだ。5円で10個の「すずめの玉子」が買えた。永山のおばあちゃんが瓶に

入った「すずめの玉子」を金属のしゃもじですくいあげ、薄茶色の油紙でできた小さな袋に入れてくれた。
 
かき氷屋は、冬にはお好み焼き屋になり、次の夏にはまたかき氷屋になったが、いつの間にか店じまいをして

しまった。永山商店は、祖母と同い年の永山さんが亡くなるまで営業を続けていた。


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昔の「起業する家づくり」は、明らかに「生計」の匂いがしたが、近ごろの「起業」には、「ライフスタイル」の気配

がする。昔はきっと、「内助の功」という感じが強かったんだろう。しかし今も昔も共通しているのは、そこには

元気な女性たちの、素敵な笑顔が輝いているということだ。それは人を呼び、家族の幸福を呼ぶ。
 

プロトハウス事務局では、そんな「起業する家づくり」の事例が増えてきた。いつかそんな起業家たちに全員

集まっていただき、楽しいフリーマーケットでも開催しよう!


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by yawaraka-house | 2012-05-31 18:08 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選

豊かな選択肢/いい家づくり100選 -1- 家づくりの目的は無限大

◎「基礎知識」編

<家づくりを楽しもう>/家づくりの目的は無限大
 

家づくりの目的は、無限大だ。
 
その大筋は「住むため」なのだが、戦後の初めの頃までは昔ながらの分家や独立という道筋を経て、つまり、

本家との間で生じた葛藤や援助という人間臭いドラマの果てに我家を建てる人たちが大勢居た。

またその後の高度経済成長期には、「労働力の定住のため」に、国の施策とも連動するように、バタバタと都

会の新居に移り住む人たちが居た。その後も年間で100万戸以上ともなる新築住宅が建ちつづける中、そこ

には数え切れない「家づくりの目的」が在ったはずだ。


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昭和30年代から日本が経済的に豊かになっていく時代のことを想像すると、「力道山が外人レスラー相手に

空手チョップをお見舞するテレビのプロレス中継を隣近所と一緒になって楽しむ」という、とてもシンプルな家

族の姿が浮かぶ。このイメージは、数え切れないはずの「家づくりの目的」を、「幸福な家庭を築くため」という

一言に置き換えることができるような錯覚を与える。

日本人は元来、勤勉にして従順、そして柔軟に異文化をも許容する民族だから、この辺りから登場するハウ

スメーカーのコマーシャルが、年間100万戸規模の新築住宅の建築を、上手い具合に後押ししたのだろう。


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昭和32年生まれの僕が思い出す光景は、我家の二間繋がりの大きな和室にやってきたカラーテレビを、お

隣の瓦工場兼住宅に住む友達と一緒になってやや興奮ぎみに観ていた場面や、庭にあった豚小屋の瓦屋根

の上で実った斑模様のカボチャや、物置きの柱に小刀で彫った1969という数字で、そんな光景の断片を一

掃するようにホンダライフを運転する父が住宅の正門から怒濤のように敷地内に車を乗り入れる映像が挿入

され、この思い出の光景は、ビビッドな昭和生活色に満たされるのだった(ちなみに、父が怒濤のように車で乗

り付けるのは夕方の相撲中継を観るためだった。つくづく幸せな時代だったと思う)。
 

確かに、あの頃の日本は、とてもシンプルに元気だったような気がする。池田内閣が掲げた「所得倍増計画」

という甘い夢に向かって、日本国民が邁進していたのだろう。


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そんな・一見シンプルな・時代から時は移り、現代社会では家づくりも多様化した。その目的も様々な様相を

呈する。それでも、僕が運営するプロトハウス事務局を訪れる建主さんの家づくりの大半は、人生の節目を契

機とすることが多い。これから子育てが本格化する家庭では、「子どもが小学校に上がる前までに」という理

由が、建主の口から最もよく語られる。しっかりと居を構え、落ち着いて子育てをしたいという親の希望が「家

づくりの目的」と見事にオーバーラップする。そんな家族にとって、世界の中心には、子どもたちの笑顔が輝い

ている。


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子育て真只中の家族とは異なり、定年退職を迎え第二の人生を楽しもうというご夫婦や、一生独身を決め

早々に独り暮らし用の都会型マンションリフォームを希望される方、口げんかでバトルを繰り返しながらも二

世帯同居住宅を希望する親子、モダンでかっこいい住宅をデザインする建築家に設計依頼をすることに憧れ

るディンクスも居る。


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ある日、圧縮ソフトの開発で莫大な財産を手にしたと語る少年がやってきて「風洞実験室」のある家を建てた

いけど、そんな家を設計した建築家がいますか?と聞かれたこともある。未来の夫を同伴して来場された御婦

人は、現在の夫の部屋も含め、それぞれの等分された居室が3室ある住宅の設計を希望された。
 

家づくりは人生そのもの。まさに多様化している。僕が今さら声を大きくするまでもなく、それは無限大の可能

性を秘めているのだ。


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次回予告<家づくりを楽しもう/「起業する家づくり」が増えてきた>

by yawaraka-house | 2012-05-28 14:36 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選