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豊かな選択肢/いい家づくり100選 -2- 「起業する家づくり」が増えてきた

◎「基礎知識」編

<家づくりを楽しもう>

・「起業する家づくり」が増えてきた
 

家づくりは、人生最大の投資である。たいがいの人は一生に一度だけしか、その投資のチャンスに恵まれるこ

とはない。だから、よく考えた方がいい。その家づくりは自分の財産を投資するのに値するのか否かということ

を。



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僕の観たところ、たいがいの日本人は性善説を信じていて、流行に流される気質を持ち合わせており、その結

果、安易に家づくりの選択肢をチョイスする傾向が強い。テレビコマーシャルが「外張り断熱」と連呼すれば

「外張り断熱の家がいい」と思い込み、「制震の時代」と言えば「そうか、これからは制震なんだ」と素直に頷く。
 

しかし、よく考えた方がいい。シャンプーやジャガイモならいざ知らず、一生に一度の家づくりなのだ。いやい

や、シャンプーやジャガイモだって、美容や健康に対する投資なのだから、ちゃんと考えた方がいいに決まっ

ている。ただし、シャンプーと家とでは、投資する金額が違い過ぎる。かたや数百円、かたや数千万円だ。



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家づくりを投資として考えた場合、当然ながら「利益を生む方法」を家に付加するという考え方ができる。俯瞰

すれば、最適な住宅ローンを組むという選択肢もまた、そのチョイス次第では、支払わなくていいはずの金利

分を預貯金に回せるのだから「利益を生む方法」と言えるだろう。しかし最近では、明らかに住宅の空間その

ものに「利益を生む方法」を付加した家づくりが増えてきたように思う。それが、「起業する家づくり」だ。


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起業する職種が、時代を映している。起業するのは多くの場合はその家の奥様で、従ってその内容もはっき

言って女性ならではのことが多い。カフェやパン教室、料理教室、ヨガ教室・・・・。いずれも家の一室を使って

の起業となる。以前から開いていた書道教室のために和室を玄関横に設けた事例もあった。また最近は、ヨ

ガではなくピラティス教室のことも多い。


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◎◎教室と、自分の持つ技能が元手だからほとんどの場合は、大規模な設備投資は必要としない。使い勝手

のいい空間があれば、それでいいのだ。その空間から月に数万円の利益が上がれば、返済が楽になる。もっ

と積極的になれば、繰り越し返済もできるし、立派なビジネスにもなるだろう。
 

この「起業する家づくり」。なにも昨今始まったというわけではない。僕の小学生時代にも自宅の一階を広い土

間にして、そこでかき氷屋さんを開業した小母さんが居た。堤田さんという母の友達で、夏休みの午後には直

射日光から逃れるようにそのお店によく駆け込んだものだった。ふっと頭をよぎるのは、かき氷が土間に落ち

ていく映像。堤田さんは、「気にせんでいいよ」とタダでかき氷をサービスしてくれた。自宅の横にあった永山商

店も、よくよく考えてみれば、自宅の一角を駄菓子屋にしたに過ぎない程度のお店だった。小さな空間には、

小さな駄菓子たちや籤付きのゴム風船が所狭しと陳列されていたっけ。学校から帰ると僕たちは、5円硬貨を

握りしめて永山商店に行ったものだ。5円で10個の「すずめの玉子」が買えた。永山のおばあちゃんが瓶に

入った「すずめの玉子」を金属のしゃもじですくいあげ、薄茶色の油紙でできた小さな袋に入れてくれた。
 
かき氷屋は、冬にはお好み焼き屋になり、次の夏にはまたかき氷屋になったが、いつの間にか店じまいをして

しまった。永山商店は、祖母と同い年の永山さんが亡くなるまで営業を続けていた。


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昔の「起業する家づくり」は、明らかに「生計」の匂いがしたが、近ごろの「起業」には、「ライフスタイル」の気配

がする。昔はきっと、「内助の功」という感じが強かったんだろう。しかし今も昔も共通しているのは、そこには

元気な女性たちの、素敵な笑顔が輝いているということだ。それは人を呼び、家族の幸福を呼ぶ。
 

プロトハウス事務局では、そんな「起業する家づくり」の事例が増えてきた。いつかそんな起業家たちに全員

集まっていただき、楽しいフリーマーケットでも開催しよう!


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by yawaraka-house | 2012-05-31 18:08 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選

豊かな選択肢/いい家づくり100選 -1- 家づくりの目的は無限大

◎「基礎知識」編

<家づくりを楽しもう>/家づくりの目的は無限大
 

家づくりの目的は、無限大だ。
 
その大筋は「住むため」なのだが、戦後の初めの頃までは昔ながらの分家や独立という道筋を経て、つまり、

本家との間で生じた葛藤や援助という人間臭いドラマの果てに我家を建てる人たちが大勢居た。

またその後の高度経済成長期には、「労働力の定住のため」に、国の施策とも連動するように、バタバタと都

会の新居に移り住む人たちが居た。その後も年間で100万戸以上ともなる新築住宅が建ちつづける中、そこ

には数え切れない「家づくりの目的」が在ったはずだ。


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昭和30年代から日本が経済的に豊かになっていく時代のことを想像すると、「力道山が外人レスラー相手に

空手チョップをお見舞するテレビのプロレス中継を隣近所と一緒になって楽しむ」という、とてもシンプルな家

族の姿が浮かぶ。このイメージは、数え切れないはずの「家づくりの目的」を、「幸福な家庭を築くため」という

一言に置き換えることができるような錯覚を与える。

日本人は元来、勤勉にして従順、そして柔軟に異文化をも許容する民族だから、この辺りから登場するハウ

スメーカーのコマーシャルが、年間100万戸規模の新築住宅の建築を、上手い具合に後押ししたのだろう。


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昭和32年生まれの僕が思い出す光景は、我家の二間繋がりの大きな和室にやってきたカラーテレビを、お

隣の瓦工場兼住宅に住む友達と一緒になってやや興奮ぎみに観ていた場面や、庭にあった豚小屋の瓦屋根

の上で実った斑模様のカボチャや、物置きの柱に小刀で彫った1969という数字で、そんな光景の断片を一

掃するようにホンダライフを運転する父が住宅の正門から怒濤のように敷地内に車を乗り入れる映像が挿入

され、この思い出の光景は、ビビッドな昭和生活色に満たされるのだった(ちなみに、父が怒濤のように車で乗

り付けるのは夕方の相撲中継を観るためだった。つくづく幸せな時代だったと思う)。
 

確かに、あの頃の日本は、とてもシンプルに元気だったような気がする。池田内閣が掲げた「所得倍増計画」

という甘い夢に向かって、日本国民が邁進していたのだろう。


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そんな・一見シンプルな・時代から時は移り、現代社会では家づくりも多様化した。その目的も様々な様相を

呈する。それでも、僕が運営するプロトハウス事務局を訪れる建主さんの家づくりの大半は、人生の節目を契

機とすることが多い。これから子育てが本格化する家庭では、「子どもが小学校に上がる前までに」という理

由が、建主の口から最もよく語られる。しっかりと居を構え、落ち着いて子育てをしたいという親の希望が「家

づくりの目的」と見事にオーバーラップする。そんな家族にとって、世界の中心には、子どもたちの笑顔が輝い

ている。


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子育て真只中の家族とは異なり、定年退職を迎え第二の人生を楽しもうというご夫婦や、一生独身を決め

早々に独り暮らし用の都会型マンションリフォームを希望される方、口げんかでバトルを繰り返しながらも二

世帯同居住宅を希望する親子、モダンでかっこいい住宅をデザインする建築家に設計依頼をすることに憧れ

るディンクスも居る。


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ある日、圧縮ソフトの開発で莫大な財産を手にしたと語る少年がやってきて「風洞実験室」のある家を建てた

いけど、そんな家を設計した建築家がいますか?と聞かれたこともある。未来の夫を同伴して来場された御婦

人は、現在の夫の部屋も含め、それぞれの等分された居室が3室ある住宅の設計を希望された。
 

家づくりは人生そのもの。まさに多様化している。僕が今さら声を大きくするまでもなく、それは無限大の可能

性を秘めているのだ。


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次回予告<家づくりを楽しもう/「起業する家づくり」が増えてきた>

by yawaraka-house | 2012-05-28 14:36 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選

コミュニティ型集合住宅は長期入居者獲得の切り札になるか?


明日福岡国際センターで開催される賃貸住宅フェアで話す資料を完成させました。

「コミュニティ型集合住宅は長期入居者獲得の切り札になるか?」・・・というタイトルですが、中身は『もう新し

い箱は造らない方がいいなあ』という内容です。

今後の空家率上昇を鑑みても自然にそんな方向の話になってしまいました。



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でも、そんな時代だからこそ、ソーシャルインクルージョンの一つの装置としての賃貸住宅の可能性があると

感じていて、その方向での幾つかの業態提案を行います。


ご興味のある方はぜひお越しください!


● 「賃貸住宅フェア2012 in 福岡 」

日時:2012年5月23日(水) 15:10~16:00
会場:福岡国際センター(福岡市博多区築港本町2-2)
入場:無料
主催:株式会社 全国賃貸住宅新聞社
セミナー:15時10分~16時

by yawaraka-house | 2012-05-22 16:21 | やわらかな家づくり

豊かな選択肢


家づくりは一生に一度のことです、とよく言う。お金がかかることだから、確かに何度でも経験はできない。そ

の経験を何度もする人のことを、昔から家道楽と呼ぶくらいだ。


僕はこれまでに400棟ほどの住宅を建ててきた。ほとんどが建築家がデザインした個人住宅だ。もちろん、

僕の自宅ではない。が、そこにはいつも自宅を建てるようなワクワクする思いが立ちあがっていた。それぞれ

の建主の事情を追体験しながら、ニュートラルな思いで各々の家づくりに立ちあってきた。その意味で僕は何

百回と家を建ててきた家道楽なのだと思う。


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そこにはいつも、希望と課題があった。これを優先すれば、それが実現できない。それを適えるためには、こ

れを犠牲にしなければならない。どんなに予算のある家づくりでも、やはり必ず、何かを選択する場面が出て

くるのだ。だから最近はいつも、最初の最初に、建主に対して、やがて訪れるその選択の瞬間について、事前

通知をするようにしている。


しかし、この家づくりコーディネートという仕事をするようになった最初の頃は、その提示が薄かった。なにしろ

その頃の僕は建築家パーウェクトと思ってていて、彼らの多くが提案する住宅のプランの第一回目のプレゼ

ンテーションの見積もりが、平気で目標予算と1000万円以上もかけ離れていることが多々あることなんてこ

とは知らなかった。


建築家はもとより、工務店も、僕にそんな傾向があることについて事前通知してくれなかった。要は学習が必

要だったわけだ。それは、なにも予算だけに限った話ではなかった。僕はやがて、構造や温熱、間取りや図

面、外壁や床、外と内の関係、土地の可能性等など、あらゆる事柄に関しての学習の必要性を、痛感するこ

とになっていったのだ。


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家は、世の中で最も総合的な物体である。皿やボールペンやメガネのように単一かそれに近いシンプルな目

的を持ったプロダクトではない。車ほどにコンパクトでもない。車でさえ外観や室内空間があり燃費を司るエン

ジンがあるが、家はその何倍もの要素を含んでいる。だからこそ、自分の好きな家を一発で想像しなさいと言

われても、それを容易にできる人は少ない。あまりに総合的過ぎて、一発で頭の中に想像するほど一面的で

はないのだ。


そこに来て、自分ちを建てる幸運に恵まれるのは「一生に一度のこと」なのだから、いざ家づくりがスタートとい

う段階になってはじめて、大概の人は慌てて建築雑誌を読みかじり、断片的な知識で武装しようとする。ところ

が、残念なことに、家づくりは何度も経験をしないと実感を伴って「相対的な本当のことが解らない」と来てい

る。


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そこで、これからこのコラムの中で、僕が今までに得てきたいい家づくりのコツを100選しー「豊かな選択肢

100選」ー
としてご案内したいと思う。それは、読者の家づくりを、一度きりの人生において必ずや

有意義な道へとつなげていく「豊かな選択肢」となるものでなければならない。


僕の父は教育者だった。僕は見事にその血を受け継いでいるので、その言葉はどこかしら説教臭いと妻から

もよく言われる。上記の文章にしたところで、やや真面目過ぎるきらいがある。まあ最近では自分でもそのこと

を意識しているので(日々成長!)、読者が退屈しないように多少のユーモアを交えながら語り伝えたいと思

う。


偉そうなヤツやなあと思われた方にはご勘弁願いたい。そんなこと知っますーという情報もあるはずだ。確か

に技術の進歩は凄まじい!例えば僕が知っている温熱の造り方やその基本となる断熱材の種類や性能につ

いても、もっと最新の情報を得ている読者が居ても不思議ではない。もし読者がそんな情報を知っていたら、

ぜひメールででも僕に教えてほしい。


僕はいい家づくりのためならば何でも学習したいと思っている。自分だけが正しいなんて、これっぽっちも思っ

ていない。住宅は車よりも総合的な物体だ。車でさえ日々新たなデザイン、エンジンの改良が行われ、最近で

は電気自動車まで登場した。住宅も然り。さらに総合性が高いだけに、より複雑な過程を経た先に、その可能

性は多様化していく。


答えは一つではない。百人の建主が居れば、その家も百通り。その家づくりのプロセスも同じなのだと思う。

この豊かな選択肢を読んだ読者が、自分にとって、本当に満足度の高い家づくりの道へと一歩を踏み出され

んことを願っている。


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by yawaraka-house | 2012-05-14 15:06