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黒姫山に行ってきました。


信州の黒姫山に行ってきました。

地域型仮設住宅をつくるNPO法人の理事にC.Wニコルさんに

ご参加いただくために、同法人の理事長を務めていただく橋本大二郎さんと

ともにうかがったのです。


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ニコルさんは、アファンの森財団を運営されていて、1時間ほどをかけ、

そのアファンの森をご案内していただきました。

ニコルさんが黒姫山に住んでいることは知っていたのですが、

実際にどのような活動をされているのかを知ったのは今回が初めて。


ニコルさんは、荒れ果てた森を自分たちの手で自然の姿にトラストされていたのです。

こちらの森には、なんとチャールズ皇太子もいらっしゃったのだそうです。

『森は蘇る!』この意志で活動されているニコルさんの元に、

東松山市からも相談があり、その森の再生にも力を発揮されるということです。


東日本大震災で被災した子どもたちを受け入れ、その傷んだ心が

森の力で再生していくお話をしてくれたニコルさん。

大きな優しいクマさんのような印象を抱きました。


「ある人が聞いたんだ。人間と熊、どっちが大切かって。僕はすぐにこう答えた。

もちろん熊に決まってるでしょ! だって人間はいっぱいいるじゃない!」

そうお話されるニコルさんと一緒に森を歩いていくと、

そこには大きなミズナラの木が!

その木はアファンの森の中でも一番のパワースポットということで、

しばし、脱力して森林浴を愉しみました。


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ニコルさんは、小規模林業の新しい形にも精通されていて

馬を使ったホースロギング(馬搬/ばはん)という方法についても教えていただきました。


アファンの森財団の象徴とも言えるネイチャーセンターでミーティングを行い、

NPO法人の理事就任もご承諾をいただきました。

ネイチャーセンターにはニコルさん専用(?)の厨房があって

「これは炭で調理できるコンロね」とやや自慢げのニコルさん!


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アファンの森財団は、会員の年会費や寄附によって運営されています。

森そのものは、荒廃するのを避けるためにすべてのビジターを受け入れてはいません。

屋久島でも最近は定期観光船の乗組み定員を少なくしていますが、ビジターの

数を制限しないと、どうしても自然は荒廃するのだそうです。

(アファンの森財団の活動についてはこちら(http://www.afan.or.jp)をご覧ください。)


NPO法人の活動は、林業再生と国土防災を連携させながら、

地域型仮設住宅を地域住民参加によるワークショップで開発しようというもの。

その活動へ向けて、心強い仲間を得ることができました。

by yawaraka-house | 2012-06-28 18:23 | やわらかな家づくり

「オルガンハウスの小さな奇跡」

「オルガンハウスの小さな奇跡」発行/書肆侃侃房)が書籍として発売になります。


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この本は、長年おつき合いのある建主さんである萩尾さんちの家づくりを題材にして書き上げたノンフィクショ

ンです。それは、今からもう十年ほど前から始まり、現在に至るまでの物語。当時はまだ3歳だった温ちゃん

のために、二十代の若い両親が実現した家づくりの話です。


この本の中には、家づくりを成功させるための最も大切なポイントや、家族とは何かという小さな発見、そし

て、どうすれば奇跡が誕生するのかということを書いています。それはある意味、すべて萩尾さん家族から僕

らが学んだことでもあるのです。


幸福って、とてもシンプルなことだと思っていて、この本の随所に、シンプルな風景を、土地や自然や、やさし

い時間や素朴なご馳走とともに描きました。


これから家づくりをお考えになる方はもちろん、家族が幸福へ向かって一歩ずつ歩いて行く、その道を探した

いという方に、ぜひ読んでいただきたい本になっています。


7月初旬、全国の書店をはじめ、アマゾンなどでも販売スタートしますのでぜひお手にとってご覧になってみ

てください。

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by yawaraka-house | 2012-06-26 17:18 | やわらかな家づくり

豊かな選択肢/いい家づくり100選 -4- 建主の思いこそ財産


人生には、いろんな岐路が用意されている。右へ進むのか、左へ回るのか、その入り口がいいのか、そもそ

もそれは入り口なのか?


岐路とはつまり、選択肢のことだ。右へ向かうにしても、左に向かうにしても、一歩前進するには、それなりの

理由が要るだろう。その道を選ぶ背景なり、根拠がないことには足下が不確かでしようがない。



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家づくりにおいても、様々な選択肢があるのだが、多くの人が自分の思いを不確かなままにしておいて、コマ

ーシャル幻想によって植え付けられた一般的な価値観を根拠にその選択を行っているようでならない。

 
建主の本質的な思いこそが、家づくりの根本的な財産である。それは家づくりの目的ということもできる。高度

経済成長期の混沌とした時代の勢いに任せるならまだしも、今は、しっかりと立ち止まって自分たち家族の思

いとじっくりと向き合う余裕をつくることは、そんなに難しいことではないと思う。



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大切なのは、自分なりに考えはじめることだ。自分たち家族の価値観を一度摺り合わせしてみるだけでもい

い。すると、お互いのパートナーが意外なことを思い、意外なことにこだわりを抱いていることが理解できるだ

ろう。

 
決して、自分の価値観だけを「建主の思い」として語ってはならない。そこだけにこだわった挙げ句に、妻や夫

が家を出て行った家づくりを、僕は何度か目撃している。「あなたにはこの納戸くらいの部屋があればいいわよ

ね!」と言い放った奥様の声が脳裏に蘇る。旦那さんは、苦笑いしながら「もう十分十分!」と応えていた。そ

の家づくりの結末は「新築」と同時に「離婚」という人生の岐路を描いたのだが、あの時、旦那さんの苦笑いの

中には複雑な思いがあったのだろうか。


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家づくりとは、家族の思いを確かめ、その思いを形にしていく作業のことだと思う。

 
プロトハウス事務局では、建主へのヒアリングを最も大切にしている。どこに本音があるのかを、建主の心を

柔軟に開きながら、いつも見つめるようにしている。そのためには、時にはワークショップなどを行い、ゲーム

感覚の遊びの中で家族の本音を引き出すこともする。



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建主の本音が固まれば固まるほど、進むべき道もはっきりと見えてくる。僕はその思いが見えた時に、その

思いをキーワードにしてみんなで共有できるようにする。その時、言葉は大切な役割を担う。その家族の家づ

くりの旗印やキャッチフレーズになる言葉を、印象に残るように呟くのだが、そうすることで、建主の思いにタイ

トルが付けられる。

 
建主の思いこそが財産だ。それが明確であれば、建築家から提案された住宅のプランが、自分たちの実現し

たい暮らしにマッチするものかどうか、ある程度察しがつくようになる。建築家は設計のプロであり、言葉も多

彩だから、家づくりの素人である建主は、建築家の提案するプレゼンテーションが自分たちに相応しいのかど

うか、見えなくなることがある。しかし、この思いが明確であれば、そんな心配も少なくなる。建主の思いがしっ

かりとしていれば、いかなるプレゼンテーションがなされようと、その形に惑わされることはない。



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建主の思いこそが、最も素晴らしい唯一無二のものだ。

そこには、揺れない、シンプルな願いがあるはずだ。


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by yawaraka-house | 2012-06-12 17:44 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選

自分ブランドづくり

『自分ブランド』という概念を、

僕の考える地域型住宅と地域型仮設住宅の核に置いています。

それは、各地域の建築家と工務店が連携して

その地域のニーズにマッチした『自分ブランド』を開発するというもの。

設計ディテールまで事前にデザインしておきます。

ニーズの吸い上げは、各地でコミュニティワークショップを

開催して行います。

新築住宅の着工戸数が確実に減っていく中、

専門連携こそが重要なテーマだと思います。

by yawaraka-house | 2012-06-08 09:13 | やわらかな家づくり

地域型仮設住宅の活動を具体化していきます!


本日は自宅にて構想を練ります。

昨日まで国土交通省向けの申請書を書いていた地域型住宅とも

連携する地域型仮設住宅です。

そのためのNPOをつくる計画で橋本大二郎さんに理事長になっていただき、

CWニコルさんに理事になっていただきます。

来週は黒姫山まで大二郎さんと一緒にニコルさんに会いに行き

打ち合わせ予定です。


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じっくり取り組むプロジェクトです。

そのための具体的な活動の姿がようやく見えてきました。

何事も時間が必要なのですね。頑張ります!


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by yawaraka-house | 2012-06-07 10:52 | マザープロジェクト

豊かな選択肢/いい家づくり100選 -3- コマーシャル幻想を捨てよう

◎「基礎知識」編

<家づくりを楽しもう>

コマーシャル幻想を捨てよう
 
60年代後期に当たる僕らの小学生の頃は、サッカーでも野球でもなく、ソフトボールが少年スポーツの王道

を走っていた。利き腕とグローブを鳩尾辺りで重ね合わせ、それから利き腕を大きく後ろに回転させたアンダ

ースローから投げ出されたリンゴ大のボールを青空高く打ち返す球技に、僕らは炎天下でも没頭した。今でい

う熱中症で倒れそうになりながらも、先輩中学生の激に背中を押され、薄茶色の砂埃舞うグラウンドで僕らは

戦っていた。そんなところからも、男子は闘争本能を鍛えられる運命にあるのだろう。とことん「社会的な生き

物」になる定めなのだ、男ってヤツは。


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ある日、僕は、もう本当に倒れそうだった。貧血なのか、熱中症なのか、今となってはわかるはずもないが、グ

ラウンドの隅の大きなクスノキの木陰で、僕はだらしなく胡座をかいてへこたれていた。そんな僕の背後から、

冷気漂うとても特殊な雰囲気のあるドリンクが差し出された。そう、ドリンクだ。ただの飲み物ではない。それ

が、僕とコカ・コーラの運命の出合いだった。
 

コーラを飲んだ僕は、「すかっと爽やか」になって元気を取り戻し、直後の打席でホームランを打った。恥ずか

し話だが、僕はコカ・コーラを栄養ドリンクか何かと思い込んでいた節がある。たぶん、「いいか、これは凄いド

リンクなんだぜえ、一口飲んだだけで体がビンビンしてくるんだぜえ」とか、スギちゃんのような口調で先輩中

学生に吹き込まれたのだ、とボンヤリ記憶している。コーラを一口飲んだ僕は、コマーシャルのキャッチフレー

ズのまんまに、萎えていた気持ちが「すかっと爽やか」になっていくのがわかった。


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その当時のコーラのテレビコマーシャルをインターネットで検索したら観ることができる。最初のコマーシャル

は「山にハイキングに行ってコーラを飲む編」で、次は「雪ダルマ編」、「輪投げ編」とつづき、ピンキーとキラー

ズが歌って踊る「自動販売機編」へとつづいていく。いずれもキャッチコピーは「スカッとさわやかコカ・コー

ラ」。水滴のついた流線形のボディから茶色のコーラがグビグビッとグラスに注がれるシズル感あふれる映像

が、観ている者の咽を乾かす。


小学生の僕もどこかでこのコマーシャルを観ていて、ある意味洗脳されていたのだろうか。どうも、思い出せ

ない。あの頃はそうそう頻繁にテレビを観ていたわけではないはずだし、先輩の「栄養ドリンク話」にも先導され

ていたこともあるのだろうが、コーラを飲んだ直後に「スカッとさわやか」になるとは! なんと恐るべしテレビコ

マーシャル!
 

こんな風にテレビコマーシャルには知らぬ間にジワジワと聴衆を先導する力がある。それは時には物事の本

質をカモフラージュする役割さえ担いながら、時代を変えていく。


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テレビコマーシャルは「豊かな選択肢」を提示することはない。そこにあるのは、いかに自社製品が優れてい

るのかという企業情報だ。例えユニクロのカラージーンズがいかに数多くのカラーパターンを揃えているとして

も、いずれもユニクロという企業の商品であることに変わりはない。
 

住宅のテレビコマーシャルは大物タレントを起用してイメージアップを狙ったものが多いが、オモシロ可笑しい

世界を醸し出す中でサブリミナル的に「外張り断熱」とか「免震」というキーワードを大量の電波を使って視聴

者の深層心理に植え付けていく。そこでは決して「住宅というものの本質」が語られることはない。そこに在る

のは、ユーザーを導いていくコマーシャルの中の世界観であって、やはり「豊かな選択肢」は存在しない。「住

宅にはいろんな造り方があるんですよ」なんてとても素朴な思想は、合理化とコストダウンによって利益を追

求するハウスメーカーの商品コンセプトとは水と油の関係だ。


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テレビコマーシャルの中に潜んだキーワードが、現代人の心にいろんな常識を焼きつける。家はきちんと分譲

された団地で買うモノ。なるべく手入れの要らない合理的な建物がいいらしい。原発で発電した深夜電力で夜

の間に蓄熱した暖房機が最も省エネ! 太陽光発電は4キロワット相当でないと経済効率が悪い!・・・。
 

こんな常識が、まことしやかに人から人に囁かれる。コマーシャル幻想が現代人の心を黒い鏡に変える。幻

想に生きる人は、自分の心の黒い鏡に映った理想の世界へ向かって歩き出す。そこに「豊かな選択肢」はな

い。


自分が生きたい暮らし方を実現するには、どうすればいいのだろう。住宅も化粧品も食品も、テレビコマーシャ

ルの世界にしか存在しないのだろうか? もちろん、そんなことはない。何を選ぼうと、自由なのだ。どこで暮

らそうか、どんな風に楽しもうか、その選択はもっと豊かであるべきだし、実際に目を自由に開放すれば、そこ

には豊かさが存在する。曇った黒い鏡(植え付けられた常識)をクリーンにして、自分なりに考え始めること。


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僕が提案する「豊かな選択肢」は、その思考の先で、自由な人々を待っている。

by yawaraka-house | 2012-06-06 14:28 | 豊かな選択肢/いい家づくり100選