8月19日から信州を訪れ、私が事務局長を務める
NPO法人で開発を
コーディネートしているピースハウスの工法に関する試験を行ってきました。
直径36ミリのメープル製の丸ダボを全乾状態にして
現場にてヒノキ材の36ミリ穴に打ち込み、それを引き抜いて
どれくらいの引抜き力が出るかを実験したのです。湿気を吸って丸ダボは
直径36ミリから直径36.5ミリほどに膨張し、当然ながらそこに摩擦力が生
じます。この引抜き力、なんと1トン!!!でした。
数値はすべてデータとして記録され、今後の成果発表で生かされます。
この工法の設計を行った建築家・長谷川順持氏も(そしてスタッフも)、
NPO事務局長の私も、試験を実施していただいた長野県林業総合センターの
S技師も、これほどの引抜き力が確認できるとは想定していなかったので、
今更ながら、このプロジェクトの意義を強く感じるとともに、ダボ工法の
可能性の豊かさを再確認しました!
さあ、工法への信頼性が確認できたところで、9月から10月にかけて、
いよいよ現場での組立てが行われます。工程につきましては、
間もなくご案内致しますので、ボランティアでのご参加を
ご希望の方は、ぜひお気軽にご参加をお願い致します。
そして、このプロジェクトで使用する木曽ヒノキが生産される森や、それを
材料として小径木が加工される工場も見学。ますます意欲が湧いてきました。
今回の信州行では、このピースハウスのプロジェクトの他に、現在進めて
いる信州発の木材商品企画の打ち合わせも行いました。
その一環として、伊那市の有賀建具さんも訪問。
いつも温和な有賀社長の笑顔と豊かな森の恵みを拝見しながら
新たな構想を胸に抱きました。
この建具すごいでしょう! あまり知られていない樹種を豊かに用い
オリジナルなドアを製作しています。ここでは、無垢の丸テーブルを
独自に開発する打ち合わせを行いました。これはフォレストバーンブランドでもあり
信州発の木材商品企画とも重なり合うものとなりそうです。
このような活動をしていて、最近解ってきたことがあります。
弊社は、家づくりでもリノベーションでもまた商品企画でも、すべてクリエイティブの
視点で新たにイノベーションしようとしているのだということです。
元々が企画制作会社だから、「クリエイティブ」を当然のことのように考えていた
のですが、これって、実は他の建築プロデュース会社にはないユニークな
視点なのですね。そこで、8月が弊社の決算月ということもあって、
来期の明快なコンセプトとして『+ クリエイティブ』を掲げていきたいと考えています。
『家づくり+ クリエイティブ』、
『スペース+ クリエイティブ』、
『ウッド+ クリエイティブ』などと考えていくと、さらに視界良好となり、
新たなアイデアが沸々としてきます。
それらの新しいアイデアや活動を自分の中に含んで(インクルード)いくと、
より豊かな選択肢へと思考が広がっていくのを実感できます。
「豊かな選択肢」を、『クリエイティブ チョイス』と言っても
いいような気がしてきます。
つまり『創造的な選択肢』ですが、それこそが家づくりの新たな境地を開いて
いくように感じます。
プロトハウス事務局