先日、九州大学でロジャー・コールマンさんのトークセッションに
参加してきました。
ロジャーさんは、「インクルーシブデザイン」という表現の発案者です。
英国のロイヤルカレッジオブアート・ヘレンハムリンセンターの教授でしたが
現在は退官されています。
この日は、九州大学平井研究室でのトークセッションです。

中央の方がロジャーさん、隣が平井先生、その隣が私です。
トークの中では、ロジャーさんの初期の活動がアートからムーブメントへと
変化していき、そのプロセスの中で地域の家や新聞を地域の人々と
ともに造っていったという件があり、「ジョイナーに習いに行った」
のだとおっしゃいました。そのジョイナーとは大工のことであり、
後でした立ち話で「大工仕事の中でもジョイントをいかに造るかは大切な
ポイントなのだ」と話され、私も今進めているNPO活動で用いる
「木材をいかにつなげるかという構造=ジョイント」のことをお話し、
国は変われど、大切なポイントは同じなのだと思いました。
ロジャーさんが活躍しはじめたのは1980年。まだユニバーサルデザイン
という概念が成立していなかった頃です。
そんな状況の中で、新しいデザイン活動への興味をいかに喚起していくか
が課題だったそうですが、いつもユーザーとともに考えることに重きを
置いていたそうです。
それが意味することは何か、社会に対してどういう意味があるか?
常にオープンな質問をすることの大切さ。
正しい質問。本当の課題を考えること。そしてリサーチクエスチョン。
デザインにとっては、リサーチすることはとても大切なことだと
ロジャーさんは、笑いながらも真剣に語りました。
また、全体のプロセスを理解しながらシンプルな問題を発見することの
大切さも教えていただきました。
プロトハウス事務局
▲ by yawaraka-house | 2012-10-25 12:10 | インクルーシブデザイン